Quantcast
Channel: Autoblog Japan ニューモデル
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3967

【試乗記】「BMW 7 シリーズ 」跳躍の幅は7シリーズの歴史上もっとも大きい:島下泰久

$
0
0

Filed under: , , , , , ,

BMW 7 series
 新型BMW 7シリーズは、これまでに無いほど大きく変わった。ハードウェア自体の進化やデザインの変化も大きいが、話はそれだけには留まらない。クルマ自体のコンセプトまで踏み込む、大胆なまでの刷新。その跳躍の幅は、7シリーズの歴史上もっとも大きいと評していいのではないだろうか。

BMW 7 series BMW 7 series
 今回試乗したのは740i Mスポーツと、ロングホイールベースの740Li の2モデルなのだが、いずれもまずはもう見た目からして、明らかにこれまでとは趣が違っている。これまでの7シリーズは、ちょうど先々代で一度、ドギツいディテールを試したことはあったものの、基本的にはアンダーステイトメント、意地悪く言えば地味で、それはそれで良かったとも思うが、アピール度が高いとは言えなかったのも事実。そこで新型は、より堂々としたフォルムをまとい、クロームパーツの使用部位も大幅に増やされて、いかにもな高級感が解りやすく演出されている。

BMW 7 series
 筆者個人の思いとしては『今さらコレをやるの?』という感じだし、BMWらしくない気もする。キドニーグリルの間が繋がり、ヘッドランプユニットから横一直線に見えるのも、やはり"らしくない"。しかし、少なくとも単に大きな3シリーズだなんて言われることは無くなったはずだ。

BMW 7 series BMW 7 series
 柔らかな手触りのレザー、艶やかに磨き込まれたウッドパネルが縦横にあしらわれたインテリアも、やはり同様に解りやすい雰囲気と言える。走ることに専念するための硬派なコクピット、なんて感じではない。

BMW 7 series BMW 7 series
 指先を空中で動かすだけでオーディオの音量などを調節できるジェスチャーコントロールの搭載も面白い。それこそ先々代で初めて iDriveを搭載した時のような、荒削りであっても操作系に革命を起こすようなインパクトは無く、正直言ってまだギミックの域を出ていないとは思うが、それでも、これまでとは違う層の目を惹きそうなことは間違いない。

BMW 7 series
 そんな内外装だけでも大きく変わったなと思わせるには十分。しかし、そこはさすがBMWで、何よりインパクトが大きいのは、やはり走りの進化ぶりだ。まず驚かされるのは、意外にも乗り心地の良さ。ボディの剛性感はハッとさせられるほど高く、リアだけじゃなくフロントにも7シリーズでは初めて使われたエアサスペンションは想像以上にソフトに躾けられていて、気味が悪いくらいにしなやかなのだ。

BMW 7 series BMW 7 series
 ハッキリそれだと体感できたわけではないが、前方の路面をスキャンして減衰力を自動調整するエグゼクティブドライブプロの効果も、きっとあるのだろう。その乗り味、まるで浮遊しているかのような感覚である。

BMW 7 series
 いや、一種異様なまでのこのフィーリングに何より貢献しているのは、間違いなくルーフメンバーやウインドウフレーム、ピラーなどの構造部材にCFRP(カーボンファイバー強化樹脂)を使った"カーボン・コア"と呼ばれる新構造のボディだ。ボディだけで130kgの軽量化に繋がっているだけでなく、CFRPらしい入力に対する減衰の素早さが、感覚的にも軽さを強調しているようだ。

BMW 7 series BMW 7 series
 静粛性も目を見張るものがある。低速域の静けさなどは、単に騒音が抑えられているというより、そもそも完全に遮断されているかのように感じられるほど。これもまた金属とCFRPの違いが表れているのかもしれない。

BMW 7 series
 もちろん、そのボディはフットワークにも軽やかさをもたらしている。特にピラーからルーフ辺りにかけての高い部分が軽く感じられるおかげで、グラリと傾くようなロール感は最小限。4輪操舵の威力もあって、とにかく曲がりたがり、ステアリングを切った方向にスイスイと吸い込まれていく。

BMW 7 series BMW 7 series
 但し、おかげで直進時の落ち着きが損なわれているのはマイナス。せっかく素性が良いのだから、後輪操舵は隠し味程度にしておいて、シンプルにその良さを味わわせてくれても良かったはずだ。それでも比較すれば、ロングボディの方が動きは自然で、それでいてワインディングロードも楽しく攻められる小気味良さもうまく両立できていた。

Continue reading 【試乗記】「BMW 7 シリーズ 」跳躍の幅は7シリーズの歴史上もっとも大きい:島下泰久

【試乗記】「BMW 7 シリーズ 」跳躍の幅は7シリーズの歴史上もっとも大きい:島下泰久 originally appeared on Autoblog Japan on Fri, 29 Jan 2016 03:30:00 EST. Please see our terms for use of feeds.

Permalink | Email this | Comments

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3967

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>