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近頃アウディがちょっと販売戦略を変えてきたように思う。感覚的には日本に新型TTが導入されてきたあたりからだ。
これまでの、「どう、オレおしゃれっしょ!」みたいな、とかくファッション性をゴリゴリ推す方式から、テクノロジーとかエンジニアリングにフォーカスしたプロモーションにシフトしてきたのだ。「技術の〇ッサン」(オッサンではない)じゃないけど、ベタに言うならそんな感じ。
しかし、オシャレ番長の名を欲しいままにした、かつての芸風を決して捨てたわけではない。仕上げられるクルマがイキナリ泥臭くなるわけもなく、さじ加減は心得たものなのがまたちょっとだいぶニクい。洗練をしっかりと残しつつもさらに走りを研ぎ澄ませたのだから、もう絶対よくなってるに違いないのだ。


というわけで、新型A4だ。
ミッドサイズセダンとして、ゆとりと取り回しの良さの双方を兼ね備えるA4は、日本のみならず世界的なベストセラーとなったモデルである。ガチのライバルは絶好調の快進撃を続けるメルセデス・ベンツ CクラスやBMW 3シリーズだ。そのライバル勢含めて、どれもがイバりすぎずに高級感を漂わせるという、実にエエ塩梅の存在感なのはご存知の通り。なかでも特にメルセデス・ベンツ Cクラスの躍進は凄まじい。恐るべき戦略的なバーゲンブライスを掲げ、さらにセグメントを越えた質感と走りを備え、今やオシャレアイコンとしてもアウディを喰う勢いがある。

それを相手にどう戦うのか。いやもうアウディとて戦えないんじゃないか。実はそう思ってた。
しかしA4の、Gacktみたいにクールなポーカーフェイスの下に隠されていたのは、ドライバーズシートに身体を埋めたその瞬間からわぁ、とドライバーの心を震わせる先進技術の見せ方と、さらにタイヤひと転がりでわかる進化した走りだった。この演出、さすがアウディである。


まずボディサイズがほんの少し拡張されている。全高のみが変わらず、つまり先代よりもよりロー&ワイドな迫力を得た。と同時に、乗員スペースも拡大され、ショルダー部分が+11mm、前席ヘッドクリアランス+24mm、さらに室内長は+17mmで、リアのレッグルームは+23mmと室内に拡がりをもたせている。数字にすればわずかだが、比較すれば先代のオーナーははっとするくらいの広さを感じるはずだ。


エクステリアもお馴染みの見慣れたシングルフレームグリルが新しくなり、ボディサイズの拡張にも合わせて、より横方向への伸びを感じられるようにデザインされた。またアウディお得意のライト類にももちろん手が入り、フロント・リアともにイマのアウディ顔に仕上がっている。
とはいえ全体的な印象はあくまでもコンサバティブ。ブランニューを感じるのは、むしろ質感と使い勝手の大幅な向上を図ったインテリアかもしれない。


マトリクスヘッドライト(ルームミラーに内臓されたカメラが対向車や先行車を検知し、自動的に配光を調整する)とのセットオプションにはなるが、A4を買うなら是非着けてもらいたい。


まず、シートに納まって最初に目に入るのは、「バーチャルコックピット」と呼ばれるインストルメントクラスターだろう。ハンドルのその向こう、普通ならメーター類が納まっているその場所に一面に広がるのは、12.3インチの液晶カラーディスプレイなのだ。
「MMI」というのはマルチメディアインターフェイスのイニシアルを取った呼び名で、アウディのナビゲーション・オーディオ・ビジュアルなどを統合してコントロールするシステムのことを指すが、この「バーチャルコックピット」もMMIに統合制御されている。

圧倒的なのは、ここにナビの地図を表示させることができるという点で、一旦コレに慣れてしまうと、インパネ中央に配されたナビ画面に視線移動するのがどれほどドライバーにストレスをかけていたのかを思い知る結果となる。それくらい、便利。なおかつフォントが美しいので見やすい。


もちろん速度計/回転計のみを表示させることも、ラジオやオーディオの曲名を表示させることもできるし、その変更操作はステアリングホイールにあしらわれたボタンで簡単に行える。従来通り、ナビをインパネの真ん中に備えられた8.3インチのディスプレイに表示させることも可能だ。


そして、この「MMI」を操作するためにあるのがセンターコンソールに備えられたボタンや円いダイヤルなのだが、ココも一時期に比べると、感激するくらいにシンプルになった。
以前は戦闘機か!? ってほど、行きずりでは到底使いこなせないレベルのボタンだらけだったのだが、それがある程度集約され、直感的に使いやすくなったのは喜ばしい。

それから、エアコンの操作パネルがいやんなっちゃうくらいオシャレなのも、ちょっと注目して欲しい。マットホワイトのフォントがもう!こういうの、女性にはすごく響くと思う。
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【試乗記】「Audi A4」心を震わせる先進技術の見せ方、タイヤひと転がりでわかる進化、この演出は、さすがアウディ!:今井優杏 originally appeared on Autoblog Japan on Wed, 04 May 2016 04:00:00 EST. Please see our terms for use of feeds.
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