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■ドライバーますますやることなくなっちゃうんじゃ??

Oh嘆かわしや! 世のクルマ好きオヤジ諸君! 本当にこれでいいんでしょうか? ただでさえクルマ好きの肩身が狭い現代ニッポン。本当にこんなクルマが大手を振って出ていいのかと。不肖小沢、ますます悩みと白髪が増えそうになっちゃいましたぜ!


それは6年ぶりに生まれ変わったファミリー向け箱型ミニバン、5代目日産セレナです。今回プラットフォームやらエンジンやら型式的にはキャリーオーバーってことになってるけど、中身はほとんど一新で凄いのはもちろん、キモは日産初の半自動運転技術、プロパイロットですよ。例の矢沢永吉CMでも有名で、聞けば装着率7割だそうで、評判は上々!


具体的なハイライトはシンプルな単眼カメラとモービルアイ製の専用ECUで制御する自動追従&レーンキープ機能で、自動運転界でいう「レベル2」に相当してて面白いっちゃ面白いんだけど、これが本当に上手く作動しちゃうと俺たちゃはますます"運転手"どころか最後の運転確認者!? ってことになりかねない。運転中やることと言えばせいぜいアクビをすることと鼻毛を抜くこと。ドライバーとしての存在意義であり、重要性がますます落ちちゃいそうですけど、それで本当にい〜んですか? というハナシですよ。
■意外とまだまだ...ほっとひと安心とはいえ
ってなわけでまずはプロパイロットの感想から行きますと、ぶっちゃけひと安心。全然イメージ通りの"自動運転"ではありませんでした。


使い方はとにかく簡単で、基本2アクション。ステアリング右の青い「PILOT」ボタンを押してモニターに「セーフティ・シールドが支援モードになりました」と表示されたら、後は隣の「SET」ボタンを押すだけ。後に車速を上げたければその上の「+」ボタンを押す。

すると状況を読んでプロパイロットのモードに入ります。これは高速道路での使用が推奨されてて、「SET」ボタンを押した時に、前にクルマがいれば車間だいたい3〜4〜5台分で追従走行。クルマがいなければその時点での車速をキープ。ステアリングが勝手に切れる自動レーンキープの機能も白線を認識後、ステアリングホイールに手を載せている限り効きます。逆に両手放しすると、5秒ぐらいで警告されて、さらに5秒ぐらいでレーンキープ機能が解除されるって具合。


ところがこれが案外大したことないんです。もちろん田舎のガラ空きの高速みたいなところでは、ステアリングに手をのせて力をかけているだけでその状態で延々と走ります。


でも首都高に入ってキツ目のカーブを曲がるとすぐモードは解除されるし、高速のランプウェイも曲がりきれない。高速を降りた街中も太い2車線国道ぐらいなら行けますが、細めの道は全然ダメ。プロパイロットのモードに入ってもすぐキャンセル。


その上比較的使える高速でもゆっくり走ってる時は気にならないけど、混んでくると車間の空き具合が目立っちゃって間にクルマに入られるし、そもそも前のクルマのスピードの増減になかなか付いて行けない。ガーッとスピードアップされると置いてかれるし、車間が空きすぎた後に前が詰まると、今度はブレーキを踏む必要が出てきたりするっていう。なんだコレ? 本当に"自動運転技術"って呼んでいいの? ってレベルなんです。

心の底からいい! 使える! って言いきれるのは時速30km以下ぐらいのトロトロ渋滞追従ぐらいのもので、余裕でステアリングも切れるし、車間もキープ。今回はほぼ試せませんでしたが時速10km以下ならば、両手を離してもOKってハナシです。
でもハッキリしたメリットは正直それくらい。もちろん無いより付いてる方がラクですが、"自動運転技術"っていうより、やっぱり"良く出来た運転支援システム"どまり。大して未来は見えてきた気がしませんでしたねぇ。
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【試乗記】日産 セレナ、 俺、もう鼻毛抜くしか残ってね〜じゃんかよ!:小沢コージ originally appeared on Autoblog Japan on Sat, 15 Oct 2016 06:00:00 EST. Please see our terms for use of feeds.
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