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●妙な自動車病に罹ってしまったのかも?
不躾小沢も年のせいか目も頭も少しおかしくなってきたんでありましょうか? 今このダイハツの意外なる伏兵、ムーヴキャンバスが、懐かしの"ヒッピーバス"こと60年代のワーゲンバスにしか見えないのでございます。

コイツの本質はダイハツが自らのいいところを寄せ集めたニッチ商品で、まずは使い勝手が予想以上にナイスなのと、同時にフォルムが可愛く絶妙にクラシカル。ところが良く見るとディテールはワーゲンバスとはかなり違ってて、サイズはかたや全長4.2m台、こなた約3.4mとまるで小さいし、なによりワーゲンはリアエンジン!


よって本物がフロントギリギリまでノーズのないリアル食パンシェイプなのに対し、ムーヴキャンバスはイマドキの軽FFプラットフォームでノーズは付いててサイズも短い。でも不思議と漂うムードは割と似通ってるんですわ。
ちなみにワーゲンバスとは60年代から北米を中心に流行った元祖ワンボックスカーで、骨格はあのVWタイプⅠこと初代ビートル。空冷フラット4をリアでバタバタかき鳴らしながら、ロン毛でラッパズボン履いたアメリカンニューシネマなデニス・ホッパーやピーター・フォンダがスモークしながら乗ってたイメージ。まさにLOVE&PEACEな走るヒッピームーブメントなワケよ。
いまのギチギチな日本とは違い、素敵に荒っぽく自由を求めた時代ですが、そのふっくら食パンマンのようなフォルムは今だ愛され、良品だと400万円以上で取引されてる実用クラシックカーなのであります。
●軽サブリミナルの正体とはいったい?

しかしなぜムーヴキャンバスがワーゲンバスっぽく見えるかって、秘密は全体に散りばめられたサブリミナルのようなディテールでありましょう。


まずは売りの1つであるツートンカラーがキモ。目立つところではイマドキハデ目なピンクや水色をベース色に上半分は必ずホワイト系。コイツはワーゲンバスの定番セレクトで、良く見ると本物はフロントにV字で白がドカンと入っててムーヴキャンバスはそれほどでもない。でもその牧歌的なムードは共通。

そのほか上半分のホワイト系がルーフはもちろんノーズまでグルリと横一周に塗られていて、ピラーはすべてブラックアウト。結果、タテの長さとリアの丸さが極端に強調され、全体としてバスっぽく見えるというシクミ。


さらにムーヴキャンバスの最大にして最強の個性は業界初の全高1.6m台の両側スライドドア付きの軽であること。今まで1.6m台のムーヴは前後スイングドアでさほど使い勝手は良くなく、かたや実用性を突き詰めた両側スライドドアの軽はダイハツ・タントやホンダNBOXのような全高1.7m台のみ。結果、リアに子供が立ったまま着替えられるほどのスペースが得られましたが、そうするとガラス部分がデカくなり過ぎて頭でっかちに見えちゃう。
要はギリギリまで室内の広さ、高さを追究するとカッコ悪くなってしまう。それが過去のスライドドア付きの最大の欠点だったんですね。
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【試乗記】ダイハツ、ムーヴ キャンバス。新軽自動車サブリミナル!? いま俺にはコイツがワーゲンバスにしか見えない!!:小沢コージ originally appeared on Autoblog Japan on Wed, 02 Nov 2016 04:30:00 EST. Please see our terms for use of feeds.
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