Filed under: ハッチバック, 試乗記, シトロエン, デザイン/スタイル, ニューモデル, News, フランス

"小粋なクルマ"。シトロエンのコンパクトモデルにはこの表現がピッタリとハマると思う。シトロエンC4と同クラスのモデルは同じPSAグループのプジョー308やVWゴルフ、ルノー メガーヌ、ボルボV40やアルファ ジュリエッタ、BMW1シリーズやアウディA3 etc...。どれもそれぞれに魅力的ではあるものの、『小粋さ』という表現が最も似合うのは誰(どれ)?となると、筆者はC4と言いたい。


デザインには華もあって洗練もされているのに少しだけ肩の力を抜いて付き合えるような絶妙なムードがある。全長4300㎜×全幅1790㎜×全高1490㎜のボディサイズはもちろんのこと、室内の居住性を重視してちょこっとだけ高めな全高、また表情にはキリッとした目鼻立ちが与えられていながらも、全体の印象には丸みを感じるボディバランスに、気取らぬ親近感を抱くことができる。気取りがないのに洗練されている感じ...、それすなわち小粋、とC4の場合は相成るのである。これはもうシトロエンが持って生まれたセンスだとか血筋のようなものであり、それがC4の個性となり、魅力となっているのだ。

表面的な(見た目)だけでC4の小粋さは成立しない。エモーショナルな感覚のなかでも味わえなければ安っぽくなってしまう。今回のマイナーチェンジを受けてC4のドライブフィールがその小粋さをますます強めたといってもいい。これが一番のトピック。


1.2L直噴3気筒ターボエンジン+6ATという新たなパワートレーンを搭載し、ますます小粋さに磨きをかけていたのだ。走り出しから加速に至るまで実に軽やかでスマート。ダウンサイジングを行った最新のエンジンは130PS/230Nmのスペックを持ち、低回転から頼もしいトルクを発揮してくれる。

トランスミッションが6ATに変更になり、これまでのクラッチ操作レスの6速EGSは多少のギグシャク感があり、これも慣れれば扱いやすくもあったが、スマートに新エンジンを動力としてダイレクトかつスムーズにタイヤに伝えるのには実に合っている。再加速の際のシフトダウンやギヤ選びもタイミングも極めて自然だった。トン、トン、トン、とシフトアップしてスーっと一定走行に入る。


これは街中でも高速道路でも変わらない。そして1.2Lという排気量であってもターボのサポートによりエンジンが唸りを上げることもなく、走行中の静粛性の高い点も特筆しておきたい。そしてこのユニットの採用を含む車重の減量+スタート&ストップ機能の追加により燃費も約20%向上し、16.3km/lに。

アップライトなドライビングポジションC4のシートに座り、やや大径かつ細目のステアリングホイールを操作する。まずはC4とのこの向き合い方、この他にはないムードもご紹介しておきたい。シートはマイナーチェンジを受けて、これまではコシのあるアンコ(詰め物)で体重を支えるタイプだったが、内臓物の変更により面で支えるタイプへと変更になっているが、座った感じや乗り心地を左右するものではない。むしろ今回は車両全体で約30kgの軽量を行っており、その細かな内訳までは明らかにならなかった。が、トランスミッションはわずかにでも重くなっていると思うのだが、ダウンサイジングを行ったエンジンやシートなどが軽量に貢献しているようだ。
Continue reading 【試乗記】シトロエン C4、見た目だけでC4の小粋さは成立しない:飯田裕子
【試乗記】シトロエン C4、見た目だけでC4の小粋さは成立しない:飯田裕子 originally appeared on Autoblog Japan on Sun, 20 Sep 2015 01:00:00 EST. Please see our terms for use of feeds.
Permalink | Email this | Comments