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【海外試乗記】10年ぶりに復活を遂げた「スーパースポーツ」、DUCATIには苦手と思われたずぼらなライディングも許容する!?:鈴木大五郎

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DUCATI  2017 SUPERSPORT
   年末に行なわれる「インターモト」や「ミラノショー(EICMA)」でお披露目されたニューモデルは、翌年の春先に発売されることが多い。メーカーはそれまでの冬の間に発表試乗会をおこない、我々が試乗してインプレを書いて誌面を賑わせる。

DUCATI  2017 SUPERSPORT
 しかし多くのバイクメーカーにとっては極寒期にあたり、工場からの出来立てホヤホヤのマシンを近場でテストすることは困難(バイクはそこがつらい)。そこで選ばれるのがスペインだ。
僕自身、海外試乗会にはもう数十回参加させてもらっているのだけれど、その8割越えがスペインで行なわれている。それは比較的気候が温暖ということがひとつ。そして、雨が少ないというのが2つ目の理由であろう(バイクにとっては非常に重要)。

しかし・・・スペインは遠い。

 昨年、十数年ぶりに我が国からの直行便が復活したのであるが、まだまだ本数は少ないらしくそれにはいまだに乗った試しはない。さらに我々がテストする場所はバルセロナやマドリッドではなくて、やっぱり僻地。いや、実際はスペインといえどもそのあたりはやはり寒く、温暖な場所を探していくと地中海沿いの南部となることがほとんど。通常3本のフライトを乗り継ぎ、フラフラになって現地へ到着・・・と、なんでそんなつらそうなことを行なっているかといえば、それがやっぱり刺激的で楽しいからにほかならない。開発者たちの熱い思いを生の声で聞き、彼らがもっとも相応しいと思われるシチュエーションでニューマシンを思いっきり走らせることが出来るから、2泊5日のような強行スケジュールであっても喜んで出かけていくわけだ。

DUCATI  2017 SUPERSPORT
 ドゥカティのニューモデル、「スーパースポーツ」の発表試乗会の会場はやはりスペイン。太陽がまぶしいアンダルシア地方、セビリアで行われた。ドゥカティにとって、10年ぶりの復活となるこのネーミング。スーパースポーツというと、我が国ではレーサーレプリカ的なカリカリなマシンをイメージさせる。

DUCATI  2017 SUPERSPORT
 しかし、ドゥカティの「スーパースポーツ」というモデル名は、サーキット走行やレースに限定されない、もっと守備範囲の広いキャラクターとなっており、それらの業務は「851」から「916」・・・、そして「パニガーレ」へと続く"スーパーバイク系"が受け持つことになっている。

DUCATI  900SS DUCATI  750SS
スーパースポーツシリーズの「900SS(赤)」と「750SS(シルバー)」

 個人的にも、「スーパースポーツ」の系譜である93年式の「900SS」を所有していたことがあった。スタイリッシュでスポーティーながら、トルクフルで飛ばさない走りも許容。意外な万能選手具合が楽しく、ラインナップ落ちしてからも復活を熱望する声が高かったのもうなずけるマシンだった。その一方で、ハンドル切れ角の少なさや、サスペンションの設定がややハードかつ高速設定な割り切りも感じられたりもした。

DUCATI  2017 SUPERSPORT
 そして今度の「スーパースポーツ」は、さらに行動範囲を広げて復活したという。一体、どんなマシンになっているのか? 意気揚々とスペインに乗り込んだ。
 時差ボケでフラフラになりつつも「よっしゃ!」と目覚めると、外は雨・・・。筆舌に尽くしがたいこの落胆具合・・・、ここに来るまで何時間かかったか・・・。ブルーな気分のままバスに乗り、会場となるモンテブランコサーキットに到着。ずらりと並ぶずぶ濡れの「スーパースポーツ」が出迎えてくれる。
 しかしそれは、雨に濡れることによって、よりオーラというか、輝きを放っているようにも感じられる。これは昨年末の「ミラノショー(EICMA)」でもっとも美しいマシンに選出されただけのことはある。ほんの少しばかり気を取り直して、まずはマシンのアウトラインを確認。

DUCATI  2017 SUPERSPORT DUCATI  2017 SUPERSPORT
 まず、「スーパースポーツ」には上位モデルの「S」と「STD(スタンダード)」の2種類がラインナップされている。

DUCATI  2017 SUPERSPORT DUCATI  2017 Monster1200
 フレーム、スイングアーム(方持ち)は「モンスター1200」と基本的に共通。ホイールベースやキャスター角も同様とのことだが、パイプハンドルを採用するモンスターとはステム周りが異なるし、外装ももちろん全然違うのだから、受ける印象はまったく異なる。当然、ライディングポジションも異なるのであるが、意外なのはそのフレンドリーな肌触りだ。

DUCATI  2017 SUPERSPORT DUCATI  2017 SUPERSPORT
 スタイリングはパニガーレを髣髴させるスポーティさが感じられるのだけど、ハンドル位置が高めで前傾度が緩い。パニガーレに跨った際に感じられる威圧感というか緊張感はまったく無く、なんだかリラックスして接することが出来る。とはいえ、どんなにサーキット走行を繰り返そうとも、やはり走り始めは緊張するものだ。とくにハイパワーのマシンはその傾向が強いのだけれど、僕の中ではドゥカティもまたその手のマシンなのである。それは、やはりレーシング直系と思わせるレスポンスの良さ。打てば響く。という類の歓迎すべきキャラクターではあるのだけれど、ぬるい気持ちで乗ると、振り落とされてしまう・・・、訳ではないものの、ちょっとギクシャクさせやすかったりもする。それはハンドリングやエンジンレスポンスの遊びの少ないシャープさ。緊張というよりも、集中して神経を研ぎ澄ましておかないと身体の反応が遅れて上手く乗れないだけでなく、楽しさも感じ難い。

DUCATI  2017 SUPERSPORT
しかし、「スーパースポーツ」はそんな気持ちでいると拍子抜けするほどのフレンドリーさで驚かされる。

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【海外試乗記】10年ぶりに復活を遂げた「スーパースポーツ」、DUCATIには苦手と思われたずぼらなライディングも許容する!?:鈴木大五郎 originally appeared on Autoblog Japan on Thu, 16 Mar 2017 04:00:00 EST. Please see our terms for use of feeds.

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