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【ギャラリー】2019 Honda Insight: First Drive43
ホンダの初代「インサイト」は、オーナーが楽しそうなはしゃぎ声をあげていたことから分かるように、たくさんの愛情を集めたものだ。彼らは真新しいインサイトに乗って初めてハイウェイを走った時、きっとよだれを垂らしていたに違いない。自動車の歴史の転換点に、楽観主義的な未来を具現化したような初代インサイトにはキラキラとした輝きがあり(特にあのリアホイールスカートはすごかった)、見るだけで脳内のドーパミンがあふれ出るようだった。


だからこそ、2代目インサイトには失望させられた。プリウスの顧客を狙い、風変わりな雰囲気を捨てて室内は少し広くなったが、個性や運転性能といった面においては、完全に鋭さを失ってしまった。ホンダは、小型ながら元気いっぱいだった「CR-Z」(ハイブリッド・パワートレインとスポーティなニュアンスを併せ持ち、あのファンタスティックなマニュアル・トランスミッション。筆者は大好きだった。誰も同意してくれなくてもね)など、エンターテインメント性の高いクルマを作り続けてきた。だが2代目インサイトは、そのホンダのDNAを最小限しか受け継いでいなかったように思えた。2代目インサイトが消えてしまっても特に寂しくもなかったが、このクルマがホンダの名前に泥を塗ったことを我々は嫌悪した。

しかし今、状況は一変した。「クラリティ」によってホンダが環境性能を優先させるグリーンカーの開発に正しいやり方で邁進できるようになったこと、そして高品質なインテリアを作ることができるようになったことが証明された。「アコード」と「シビック」は運転が楽しく、新しいデザイン言語はラインアップを通して上手く表現されている。ホンダが機能性の高いスタイリングを確立し、それを広範囲に拡大しようとしていることを我々は嬉しく思う。このようなホンダの本格的な復活の真っ只中に、生まれ変わった3代目インサイトは登場した。この米国では6月29日発売の新型車に、我々は大きな期待を抱いていた。そして試乗するためにミネアポリスに到着したとき、このクルマにワクワクしたものを感じた。初代インサイトには遠く及ばないことはわかっていたが、せめて初代が築き上げた名前を復活させるに相応しいクルマであることを願い、期待すらしていた。そう、2代目インサイトによって作られた感情的な汚点の上に、新しい壁紙を貼って隠してくれるに違いないと思ったのだ。



皆さんも、「シビック ハイブリッド」が、もはや存在しないことにお気づきだろう。インサイトはラインアップ上では本質的に、シビック ハイブリッドの後継と言えるが(プラットフォームもシビックから流用している)、ホンダは明らかにインサイトにおいて、シビックの「スポーティな若々しさ」とは差別化を図ろうとしている。顔つきは確かに馴染み深いものだが、それ以外はより大きく、保守的で、成熟した印象を受ける。ホンダはもっとファンキーなクルマに仕立てることもできたはずだが、この控えめな雰囲気は好ましい。ワイルドで奇抜なスタイリングを採用しなくとも、新型インサイトはより親しみやすく、魅力的なルックスに仕上がっている。(おまえのことを言ってるんだ、トヨタ プリウス。)
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【試乗記】2019年型ホンダ「インサイト」 3代目はパワーを犠牲にせず環境性能を高めた端正なハイブリッドカー originally appeared on Autoblog Japan on Sat, 04 Aug 2018 07:00:00 EDT. Please see our terms for use of feeds.
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