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これほど露骨なのは久しぶりだ。いわゆる姉妹車となるトヨタ「タンク&ルーミー」、ダイハツ「トール」は、誰がどう見てもスズキ「ソリオ」の独壇場となっている市場に入り込もうとしたモデルである。


もちろん、競争の世界だからそれ自体はいい、というよりむしろ歓迎すべきことだ。しかし見ての通り、全長差たった10mmという寸法やパッケージングには、オリジナリティは非常に希薄だ。チーフエンジニアは、「ソリオ」は検証はしたが、決してそれを見て作ったわけではなく、市場のニーズに応えただけだと言うのだが・・・・・・。開発期間1年半。突貫工事で投入されたソリオ・キラーの実力はいかに?


「ソリオ」より10mm短い3700mmの全長に対してホイールベースは10mm長い2490mmに。そして全幅は1670mmと、45mm広くなっている。この全幅、こちらもデザイナーの要望に応えて当初の予定より10mm増やしたのだという。前後席間の距離は「ソリオ」より大きく、後席のスライド幅は実に240mmを確保。リクライニング角度は70度に達し、前席のヘッドレストを外して背もたれを倒せば、ほぼフルフラットに近いスペースを生み出すことができる。ちなみに「ソリオ」の後席リクライニング角度は56度。よく研究されている。


室内幅は寸法上は広いはずだが、左右席間の距離にはほとんど差が無く、しかもセンターフロアトレイが備わるおかげで、ウォークスルーはむしろしにくい。


一方でLの紙パックにまで対応したカップホルダー、乗り込みしやすい大型のアシストグリップ、空いている隙間すべてを活用したかのような細かな収納の数々など、日常的な使い勝手への配慮は行き届いている。後席用のヒーターダクトの装備も重宝されるに違いない。


運転環境を見ると、センターメーターナセル内にはTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイがセットされている。時計やシフトインジケーター、オド&トリップメーターに燃費などの情報の他に、ナビ無しの車両ではパノラミックビュー(ルーミー&タンク)、パノラマモニター(トール)と呼ばれるクルマを真上から見たような映像の表示もここで行われる。それだけじゃない、オープニング画面ではここにキャラクターのアニメーションまで表示されるのだ。「子どもが乗る機会も多いので」ということだが・・・・・・。


荷室の広さも、やはりソリオ以上。床面が低く抑えられていて、積み込みも容易になっている。自転車などを積み込む際に汚れを気にしないで済む防汚シートも備わる。このセグメント、雨の際などに塾帰りの子どもを自転車ごとピックアップできるのが、とても重要な性能になっているのだ。
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【試乗記】トヨタ「タンク&ルーミー」、ダイハツ「トール&トール カスタム」。突貫工事で投入されたソリオ・キラーの実力はいかに?:島下泰久 originally appeared on Autoblog Japan on Sun, 25 Dec 2016 03:00:00 EST. Please see our terms for use of feeds.
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